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2009年8月17日

映画「ディア・ドクター」

「ゆれる」の西川美和監督の作品。
「ゆれる」はなんとなく気になって映画館に見に行き、とても気に入った。
 ただ、ぼんやりエンディングロールを見ていて、監督の名前に、「あれ?」とひっかかった。帰ってからネットで調べたらやはり、大学時代、語学の授業で同じクラスの人だった。
 確かに当時から、映画のサークルに入っていた。
 同世代の人が、こんな活躍をしているなんて、すごい!
 特に監督なんて、他のスタッフとか俳優とか仕切るような立場なわけで、本当にびっくり。しかも、この間、直木賞の候補にもなっていたし。

 と、「あの西川さんの作品だ」と思ってしまうので、今回はちょっと「ゆれる」ほど、客観的に見られなかったかも。

 この映画は、無医村だった村に呼ばれ、医者になり、村人から非常に慕われている先生の話。
 でも、実は、このお医者さんは、医者の免許を持っていない。(←というのは、書くとネタばれなのだろうか? テレビでこの映画を紹介するときにすでにここまで語られていたのだけれど?!)
 でも、村人からは慕われ、信頼されている。

 そこから、資格ってなんだ? 医者って何だ? というテーマになり、無免許だと分かったとたん態度を変える周りの人の様子から、「信頼ってなんだ?」というところまで、テーマは深まっていく。

 直木賞の候補になったのは、この映画の「原作」らしいが、その本のタイトルは「きのうの神様」という。このタイトルのほうが、内容を知ってからだと、しっくり来る。
 
 西川さんの作品は、すべてを丁寧に書ききっているのに、それでもどこか消化しきれず、心のなかにもやもやと何かが残り、心のそこにしばらく留まってしまう。
 それが作品の「深さ」というものなのかな。

 こういう作品が評価される日本って悪くないな、などと思う。

 私も直木賞を目指して頑張ろう!

2009年3月22日

「ダイアナの選択」

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映画「ダイアナの選択」を見ました。


「結末にどんでん返し」という情報だけ得ていたので、色々深読みしすぎて、正直、見終わったときは「???」という感じでした......。
なんだ、それだけ?
みたいな。


ただ、映画のエンディングロールの最後の最後にキーワードがあらわれ、それを公式サイトで打ち込むと、監督の「答え」が表示されるのだけれど、それを読んでようやく「あぁ、なるほど。深い」と納得。
(ただ、公式サイトの「イントロダクション」にネタバレ的なコメントがあるので、映画を見る前に読まないほうがいいかも......)


「答え」が分かると、なぜ、「過去」と「現在」があんなに頻繁に交錯するのか、それも分かってきたりする。


色々な意味で、余韻の残る映画でした。
悔いなく生きたいな、と。


映像も美しい。
銃の乱射の場面や、血なまぐさいところもあるのだけれど、こういう、「映像」でしか表現できないことにまっすぐ向き合った作品っていいな、と思う。
本の原作もあるらしいけれど、多分、本と映画はまた違うテイストなのだろう。


女性にお勧めの映画、かな。

2006年10月29日

「DEATH NOTE -デスノート-」(前編)


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後編公開の前に、前編がテレビで放映されていた(このあいだの金曜日)。
劇場で見た知り合いが良いと言っていたので、気になっていたけれど、想像していた以上に奥が深く、ちょっとテーマは重たかったけれど、なかなか考えさせられる上質な作品だった。
簡単にあらすじを書くと、名前を書けばその人を殺せるというノートを手に入れた主人公が、「正義」のために犯罪者の名前を片っ端から記し、自分の行う「正義」に悦に入っているが、そのうち、彼自身が殺人犯として警察などに追われるようになる、というような話。

主人公の藤原竜也くんも、その主人公を追う側のL役の人も、見る人を納得させる雰囲気をかもしだしていて良かった。藤原くんはやはり舞台出身の人だからか、上手いなぁ。しかも見た目もいいし、なかなか(ただ、沖田総司のイメージが強いなぁ、私は)。

ストーリーの作り方も、構成の仕方も上手かった。映画の方を見たあと、最近深夜にやりはじめたというアニメの方をちょっとだけ見たのだけれど、情報の出し方が映画の方が上手いように感じた。見る人を「え、そうだったの」とか「それでどうなるんだ」と思わせる仕組みを上手く作っている。

でも、最近の漫画ってすごいなぁ。深いものは本当、エンタメ系の小説よりずっと重くて考えさせられる。
今回も、「正義」について考えさせられた。結局、「自分は正しい」と揺らがない人って怖いんだよな。
それはその人自身が、あるときポキリとおれてしまいそうな怖さでもあり、人を不必要に傷つけてそれに無自覚であるという怖さでもある。
特に教育など答えのでない世界にいて、文学という答えのないものに向き合っているとよく思う。ビジネスにおいては、「私に任せてください」と自信を持ってアピールすることが大事なのは分かるけれど、それでも、自分のやっていることにみじんの疑いのない人ほど、信じられない人はいないと思う。
揺らぎながら、時々は自信を喪失しながら、もっといい方法や考え方があるはずだと悩みながら、人は成長していく。
「これが答え」「これが正しい」と思ったところで、人の成長は止まる。
そんなことを思った。
(この映画だけの話ではなくて、身の回りでもいろいろ考えるところがあったのもあるけれど)

後編は劇場に見に行こうかな。
予告を見る限り、かなりまた展開するらしいし。

2005年12月14日

「大停電の夜に」


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久しぶりに映画を見に行ってきた。
「闇」の表現がきれいだという話で、キャンドルに彩られたシーンをテレビで見てその美しさが印象に残っていたから。
実際、映像の美しさという点では満足できる映画だった。
役者もなかなかいいし、細部の見せ方が良かった。演出の上手さかな。
東京が「大停電」になったらそれはもう大変な「天災」って感じだけれど、そこに重点をおかず、暗闇の中でむきあう一人一人の人間に視点を置いているのが良かった。

テレビも明るすぎる電灯もないところで、静かに大切な人と向き合う時間を持ちたい、そう思えた。キャンドルの光のもと、などというロマンチックなものではなくても、ただテレビとパソコンのない部屋で向き合うことさえできたら、いつもと違う相手のことが見える気がするのにな。でも、それさえ普段は難しい。......それは自分自身の反省も踏まえての言葉だけれどね。

映像の美しさとイブの雰囲気を味わうというのが目的ならこの映画はおすすめ。
ただストーリーや大きな流れでは、なんじゃこれ、と感じさせるところも......。
色々な人の話がからみあって一つの世界を作り上げているというのはいいのだけれど、変に関係のない人たちを最後のほうで出会わせたり、ご都合主義なところがたくさんあるし、主要な人物の心の動きや行動に納得いかないところが多かった。
あ~もったいない! という感じ。

せっかく細部と映像がいいのに、ストーリーだけ取り出したら、三流のお笑いだよ。三谷幸喜のドラマや芝居がおおごけしたというような印象。
結局、愛とは積み重ねた時間だということなのだろうか。うなづけるところもあるけれど、それだけでまとめられないような内容だった気も。

私の隣は20代半ばくらいのカップルだったけれど、男のほうはあくびをしたり、退屈そうだった。そして終わったあと、「これなら遊んでいたほうが良かったね」と言っていた。
カップルで見ることを薦めているような映画だけれど、実際は男には退屈なのかもしれない。

ただ私は、納得できない気持ちを残しながらも、最後はなんとなくあたたかい気分になれたし、とにかくきれいな映像を見れて満足でした。
久しぶりにお台場の映画館で見たのだけれど、帰り道、ゆりかもめから夜景がきれいだったしね。
映画とは関係ないけど......(笑)

2005年10月27日

「ティム・バートンのコープス・ブライド」


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まだ「チャーリーとチョコレート工場」も見ていないのだけれど、良い時間にやっていたのがこっちだったので、こちらを先に。
相変わらず独特のおとぎ話の世界で、ちょっと不気味だけれど憎めないキャラクターがたくさん登場し、最後は温かい気持ちになれました。こういう「独創性」と、その独創性を生かしたエンディングやハートウォーミングな感じは羨ましい。
恋愛における三角関係とか、そのなかでの心の葛藤というのはよく描かれたものだけれど、こういうふうに描かれると、「ありふれている」という感じはまったくなくなるし、その半分おとぎの世界だからこそ許されたラストのもって行き方がとても良かった。切ないけれど救われる。

これはあとから知ったのだけれど、こういう人形を使った撮影というのは、ものすごく大変で(たしかに見ている時から「作るの大変だろうな」というのは分かる)、一秒のシーンを撮るのに何時間(多いときは十時間くらい)もかかるとか。
やはり人の心に届く作品というのは、作り手達の魂によって紡がれたものなのだな。
私も頑張らなきゃ。

 

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