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2009年4月24日

森沢明夫「津軽百年食堂」

津軽百年食堂津軽百年食堂
森沢 明夫

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「海を抱いたビー玉」以来の、森沢さんの小説(エッセイなどは、この1年で数冊出されていたはずですが)。

「読んだあと、1週間は心がほかほかです」と帯に書いてありますが、本当、森沢さんの本は善意に満ちていて、安心して読めます。

私は、単行本は基本的に外に持ち歩かず、夜にちょっとずつ読むだけのため、1冊読み終わるのに、非常に時間が掛かるのですが、夜寝る前のゆったりとリラックスする時間に、ちょっとずつ読み進めるのに、とてもいい本でした。

「ちょっとずつ読もうと思ったけれど、一気に読んでしまった」と言っている人も多いけれど、私は、じっくり、ゆっくり派、ということで。

以前、「THE 純文学」という感じの小説を書く先生に、小説を見てもらっていたことがあるのですが、その先生は「『一気に読めました』というのが、今は、褒め言葉になっているけれど、『一気に読める』というのが決していいとは思えない」と言われていました。
なんとなく、そんな言葉を思い出したりして。

一気に読まなかったため、たくさん張り巡らされているらしい伏線は、いまいち読みきれませんでしたが、「現代」っぽくない、心に余裕のある時間の流れや、人への思いやりなどが、青森という場所と、満開の桜に綺麗に彩られ、せわしなく生きる現代人の私にも、すっと入ってきました。

もともと、森沢さんのことは、ひすいさんの「名言セラピー」を通して知ったのですが、この本の中にも名言セラピー的要素が満載で、そこもまた、ちょっと嬉しくなったり。
初めの100ページ読むだけで、5つくらい名言セラピー的エピソードが見つかったり。
名言セラピーファンには、そういう楽しみ方もあるかも。

森沢さんは、作品も素敵だけれど、それ以上に、人柄が素晴らしいんですよね。こんなタイプの作家もいるのだ、と驚くくらい。
結局、その小説を心地よく読めるかどうかって、技術うんぬんの前に、作家の持っている魂に左右されるんじゃないか、なんて思ったり。
書き手が普段から人や物事のいいところを見ているのか、悪いところを見ているのか、によって、絶対、作品は180度変わってしまうと思うから。

森沢さんの本は、なんかちょっと心が疲れたときなどにお勧めかな。
ポジティブシンキングを強制するのではないのだけれど、プラスの見方をできるように、いつのまにか心が自然と、無理なく、矯正されている、みたいな。

まだ、小説の中で一番美しい桜は、三島由紀夫の「春の雪」の描写だと私は思っているけれど、そういう、どこかゆがんでいて、痛みがあって、切なくて、苦しくて......そんななかだからこそ感じられる刹那的な美しさ、だけではなく、もっとあったかくて、安心できて、まっすぐで、純粋で......だからこその美しさ、も、いいね。
なんて思える自分は、ちょっと成長してきているのかも、などと、ほくそ笑んでみたりして(笑)

2007年11月21日

森沢明夫「ラストサムライ」


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森沢さんの作品のなかで私が一番好きなのは、やっぱり、これ!

武田幸三さんという、これまた格闘家の人生をつづったものなのですが、正直格闘技にはほとんど興味のない私でも、世界に引き込まれました。

森沢さんも
「彼(武田さん)に会ってから、自分が、がんばっている、というレベルなんて、がんばっている、とは言わないと思った」
と言われていましたが、壮絶な「闘い」を感じました。
相手に対してというより、常に自分と闘っている感じ。

人生に「熱さ」を取り戻したい方は是非是非、読んでください!

これまた、武田さんもすごいのですが、でもそのすごさを伝える森沢さんもやっぱりすごいのです!
特に、時系列......出来事の並べ方がとても練られています!


私は、自分で小説を書くときは、「自分の想像力こそが命」と思っていましたが、色々な人にあって、色々なことを聞いて、それを自分の世界に取り入れていくことが、本当に広がりと深みのある良質な作品を生むのかもしれない、などと、森沢さんの作品を読むと思いますね。

色々な意味で、小さくまとまらないようにしよう、と思います。この頃。

2007年11月20日

「風の谷のあの人と結婚する方法」


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森沢 明夫

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去年の夏に出て、一時期、どこの本屋でも平積みされていた須藤元気さんの本。
私の中では、
須藤さん=格闘家
だったので、有名人が書いたエッセイ集かぁ、としか思わず、素通りしていた。

でも、ひすいさんつながりで知り合うことのできた森沢明夫さんが、「質問送付人」をしているということで、今更ながら、手に取ってみました。

正直、もっと俗っぽいエッセイだと思っていたのですが......想像を大きく裏切られました。
とっても、スピリチュアル。

でも、偉そうに世の中の仕組みを教える、というのではなくて、当然のように、「あぁ、シンクロってありますよね」みたいに言ってしまえる、そのナチュラルさ。
しかも、笑えたり笑えなかったりするギャグも散りばめられていて(笑)、須藤さんにとても好感が持てる本でした。

『同じ時間を費やすならば、効率よく「物質」を生み出すよりも、効率よく「幸福」を生み出すべきである』

『「私が」幸せになるのではなく、「私たちが」幸せになる-いつもそう考えて行動していると、最終的には大きな成功がやってくる」

などなど、心に残る名言もいっぱいでした。
そして、須藤さんの地元が、私の実家にむちゃくちゃ近いというのもシンクロでした(「シンクロ」ってこうやって使うのか??(笑))。


でも、須藤さんの思考ももちろん素敵なのだけれど、森沢さんファンとしては、やはり、問いかけがいいよね!
と、一応、つけ加え。

 

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