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2010年3月 8日

伊坂幸太郎「あるキング」


あるキングあるキング

徳間書店 2009-08-26
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1年位前に出た伊坂さんの本を読みました。
順番としては、多分「ゴールデンスランバー」や「モダンタイムズ」の次あたりに書かれたものでしょうか。

一言でいうと、
「やっぱり、2作、力作を書いたら、エネルギーの充電期間が必要ですよね」
というような作品でした。

伊坂さんの良さがどこにもなかった。

ストーリーは、非常に弱いプロ野球チームのファンである両親が、息子を野球選手にして、そのチームの選手にしようとする話......かな。
ただ、その「息子」が生まれつき、非凡な才能に恵まれているので、プロになるのも、活躍するのも当たり前すぎて、うむ......って感じ。
才能がある分、環境には恵まれていないという設定なのだろうけれど、「困難を克服して成功する」という青春もののよさもなく、純文学的なテーマの深さもなく......なんだったんだろう??? と......。

その話に「マクベス」を被せようとする試みは、おもしろいと思うけれど、「マクベス」はあまりに有名なので、逆にちょっとひいてしまった。
でも活字離れの叫ばれる今、マイナーな作品をオマージュしても、誰も気づかないだろうし、文学を成立させるのは難しくなっているのかもしれない。

 

プロ、特に売れている専業作家の場合、どんなコンディネーションでも、書かないといけないんだろうな、と思うので、別に作品にむらがあってもいいとは思うけれど、伊坂さん自身が、こういう作品が「いい」と思っているなら、「伊坂さんの本は全部読むぞ」という想いは続かないかもしれない。

「チルドレン」「重力ピエロ」「アヒルと鴨のコインロッカー」「ラッシュライフ」「オーデュボンの祈り」のような作品がまた読みたい。
というのが、ファンの切実な気持ちです。

 

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