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2010年1月23日

「マンデラの名もなき看守」


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TSUTAYAで、「そういえばこの映画見たかったんだよな」と思って借りたのだけれど、見始めて数分で、「見たかったから見に行ったんだ」ということに気づいた(汗)

でも、非常に淡々とした静かな映画なのだけれど、しっかりとした物語の核というか流れがあり、思わず最後までまた見てしまった。

どんな話か簡単にいうと、マンデラ大統領が大統領になる前、南アフリカでは黒人と白人を差別するアパルトヘイトが行われていて、黒人は迫害され、マンデラもずっと刑務所に入れられていた(政治犯として)。

主人公は、黒人の使う言語が分かるということで、マンデラ付きの看守になる。

ただ次第に、「黒人はテロリスト。危険だから、塀の中に入れている」という自分たち白人の考えが本当に正しいのか、分からなくなってくる。

白人は、「黒人は、白人から国を奪おうとしている」と言うが、マンデラが訴えるのは、白人も黒人も平等に権利を持っているということ。

自分たちは、上の人たちの都合のいい思想をただ植えつけられて動いているだけなのではないかと思い、少しずつ、自分の頭で考え、行動するようになる......というような話。

爆破事件も、事故に見せかけた殺人も、なぜか非常に淡々と描かれ、話はただ続いていくけれど、淡々と語られるがゆえに逆にリアルに心に残ったりする。

感動して泣ける、というような感じの作品でもないけれど、最後は心の深いところがちょっとあったかくなるような、そんな映画だった。

「アカルイミライ」


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以前から気になっていた映画をDVDで見た。

小説だったら「純文学」にカテゴライズされるであろう、エンターテイメント性は希薄な作品。

浅野忠信とオダギリジョーという個性的な俳優2人が「ツートップ」として出ていて、それだけで気になるのだけれど、二人のあの不思議な存在感が、非常に生きた、良い作品だった。

最近、小説のほうは「純文学」の良さが分からなくなってきているのだけれど、映画は、いまだに、こういう、いまいち意味はよく分からないし、特にストーリーがかっちりとあるわけではないけれど、でも、確固たる世界があり、描写が美しい作品に心惹かれる。

特に、クラゲが美しい。
私も、江ノ島水族館に行くと、つい、クラゲコーナーでぼーっとしてしまう人なので......。

好き嫌いは分かれる作品だろうけれど、見てよかったな、と思える作品だった。

三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」


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少し前(2006年)の直木賞受賞作。

最近三浦さんの名前もよく見かけるので、気になってはいたけれど、読んだのは初めて。

とてもしっかりとした世界観があって、世界にちゃんと浸れる作品だった。
ときどき「うわぁ、なんて上手いんだろう」と思える作品というのがあるけれど、三浦さんの上手さは、「上手い」とも意識させない、さりげない上手さの気がする。
本当にリアリティのある上質な作品は、その作り手の技量になど目が向かないくらいしっかりと完成され、そこで完結しているものなのかもしれない、などと思わせるような......。

主人公も、主人公にくっついてくる主人公の同級生も、なんだか危なっかしくて、どこかまともじゃないのだけれど、非常に「愛すべきキャラクター」になっている。

この作品の魅力は、そういった「登場人物」と、そして「まほろ市」という架空の(でも舞台になっている町は明らかにある)場所の魅力なのだろうな。

小さな事件が起こり、1章でひとつずつ解決していっているような、解決せず、すべてがそのまま主人公の背中に乗っかってきているような、不思議な連続感も良かった。

三浦さんのほかの作品も読んでみたい。

柳広司「ジョーカー・ゲーム」


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「ダブル・ジョーカー」が去年の「このミステリーがすごい」第2位になったらしいが(第1位は、東野さんの「新参者」)、この「ジョーカー・ゲーム」は、その前編。

柳さんの作品を読むのは今回が初めてだったのだけれど、完成された、かっちりした印象を受ける作品だった。

「スパイ」の話なので、登場人物にもミスが許されないが、それを書くほうにもミスが許されない、という感じか?

なかなかおもしろく読めた。ただ、男の人のほうがこういう作品は好きなのかもしれないな、と思った。

 

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