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2009年9月13日

東野圭吾「名探偵の掟」


名探偵の掟 (講談社文庫)名探偵の掟 (講談社文庫)

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 東野さんは時々こういう笑える短編集を出す。
 これは、今までの「探偵もの」の小説の「ありえなさ」を皮肉たっぷりに描き、コメディーにした作品。
 普通に笑って読むのもいいけれど、推理小説を書きたいと思っている人なら、「なるほど、今まで、こういうタイプの推理小説が書かれてきたんだ」と、探偵ものの「文学史」を辿る勉強ができる。
 まぁ、これくらい読んで、自分で分析した上で、推理小説を書けよ、ってことかもしれないけれど。

 ただ、最近DSのソフト「逆転裁判」などをして、結構楽しんでいるのだけれど、小説でやったら「え、今更、ダイイングメッセージ?」とか、「え、今更、歌になぞらえて殺人?」とか絶対思われるようなことでも、ゲームや漫画では、まだ辛うじて許されるんだなぁ、なんて、思う。

 人を驚かせたり、予想外の結末を用意したりするために、今まで考えられてきた「パターン」は、やっぱり「理解」はしておくべきだろうな。こういうのを「温故知新」というのか。
 きちんと今まで辿ってきた道を理解しつつ、そこを超えた部分で勝負しなくては、という感じか。

 東野さんは、この「名探偵の掟」で「読者は結局、自分で推理なんかしないで、ただ先を読んで、作者が種明かししてくれるのを待っているだけだ」とか、書き手だけではなく、読み手の批判などもしている。
 でも、あとがきを読むと、東野さんはそういう問題提起を、ただの問題提起だけでは終わらせず、他の作品に生かしているらしい。たとえば、上記の批判に対しては、最後まで読んでも、読者自身がきちんとトリックを暴き、証拠を集めて理解しない限り、最後まで犯人がわからない小説を書く、などという方法で。

 この作品自体は、コメディータッチだけれど、これを読むことで、今まで以上に、東野さんの推理小説というものに対する情熱だとか、勉強量だとか、誠実さだとかを感じた。

 本当、勉強になったな。

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