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2009年8月31日

和田竜「のぼうの城」


のぼうの城のぼうの城

小学館 2007-11-28
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 少し前に話題になった「歴史小説」。
 ただ、「歴史小説」というより、「歴史エンターテイメント」といったほうが近い。
 小説なんだけれど、漫画を読んでいるような気分になった。
 楽しく読める、とても。でも、その分、深さは捨てているかもしれない。

 ただ、滅多に歴史小説は読まないので、たまに読むとおもしろいな、と思った。
 この小説は、普段から歴史小説を読んでいる人ではなく、逆に、滅多に歴史小説になど手を出さない、という人へお勧め。

 ただ、この作品限らず、歴史の中の人は、今の人間の常識とはかけ離れたことを常識と思って生きていたりする。その「ずれた」感じに、なぜか、ほっとしてしまったりする。
 あぁ、なんだ、自分が大事に思っている常識って、別に、未来永劫変わらない、すっごく大切なものでもないんだな、なんて思える。

 この作品は、主人公、「のぼう様」のキャラクターがいい。
 本当に優れたリーダーというのは、なんでも一人でできてしまう人ではなく、たくさんの人に助けてもらえる人だ、などと聞いたりするが、このキャラクターもそんな人。

 歴史は苦手なので、どこまで史実に基づいた話なのかは分からないが、キャラクターも立て、ストーリーもぐいぐいひっぱっていく感じで、最後も気持ちよく終わるけれど、ご都合主義過ぎず、良かった。

「文学」を期待すると違うと思うけれど、いい漫画を読んだときのような心地よい気持ちにはなれると思う。
 私はこういう作品、嫌いではないな。

2009年8月17日

映画「ディア・ドクター」

「ゆれる」の西川美和監督の作品。
「ゆれる」はなんとなく気になって映画館に見に行き、とても気に入った。
 ただ、ぼんやりエンディングロールを見ていて、監督の名前に、「あれ?」とひっかかった。帰ってからネットで調べたらやはり、大学時代、語学の授業で同じクラスの人だった。
 確かに当時から、映画のサークルに入っていた。
 同世代の人が、こんな活躍をしているなんて、すごい!
 特に監督なんて、他のスタッフとか俳優とか仕切るような立場なわけで、本当にびっくり。しかも、この間、直木賞の候補にもなっていたし。

 と、「あの西川さんの作品だ」と思ってしまうので、今回はちょっと「ゆれる」ほど、客観的に見られなかったかも。

 この映画は、無医村だった村に呼ばれ、医者になり、村人から非常に慕われている先生の話。
 でも、実は、このお医者さんは、医者の免許を持っていない。(←というのは、書くとネタばれなのだろうか? テレビでこの映画を紹介するときにすでにここまで語られていたのだけれど?!)
 でも、村人からは慕われ、信頼されている。

 そこから、資格ってなんだ? 医者って何だ? というテーマになり、無免許だと分かったとたん態度を変える周りの人の様子から、「信頼ってなんだ?」というところまで、テーマは深まっていく。

 直木賞の候補になったのは、この映画の「原作」らしいが、その本のタイトルは「きのうの神様」という。このタイトルのほうが、内容を知ってからだと、しっくり来る。
 
 西川さんの作品は、すべてを丁寧に書ききっているのに、それでもどこか消化しきれず、心のなかにもやもやと何かが残り、心のそこにしばらく留まってしまう。
 それが作品の「深さ」というものなのかな。

 こういう作品が評価される日本って悪くないな、などと思う。

 私も直木賞を目指して頑張ろう!

 

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