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2009年3月22日

「ダイアナの選択」

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映画「ダイアナの選択」を見ました。


「結末にどんでん返し」という情報だけ得ていたので、色々深読みしすぎて、正直、見終わったときは「???」という感じでした......。
なんだ、それだけ?
みたいな。


ただ、映画のエンディングロールの最後の最後にキーワードがあらわれ、それを公式サイトで打ち込むと、監督の「答え」が表示されるのだけれど、それを読んでようやく「あぁ、なるほど。深い」と納得。
(ただ、公式サイトの「イントロダクション」にネタバレ的なコメントがあるので、映画を見る前に読まないほうがいいかも......)


「答え」が分かると、なぜ、「過去」と「現在」があんなに頻繁に交錯するのか、それも分かってきたりする。


色々な意味で、余韻の残る映画でした。
悔いなく生きたいな、と。


映像も美しい。
銃の乱射の場面や、血なまぐさいところもあるのだけれど、こういう、「映像」でしか表現できないことにまっすぐ向き合った作品っていいな、と思う。
本の原作もあるらしいけれど、多分、本と映画はまた違うテイストなのだろう。


女性にお勧めの映画、かな。

愛川 晶「化身」

若桜木先生に薦められて「化身」を読みました。

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鮎川哲也賞受賞作なんて、読むのはじめてかも。
こういうのが「本格推理」というジャンルなのだと、初めて体験しました。

むちゃくちゃ頭いいなぁ、この人、というのと、よくこんなに詳しく調べる気になるなぁ、というのが感想。

以前は、小説家を目指すのなら、どんなものでも書けなくてはみたいに思ったりしていたけれど、最近は、あまり思わなくなった。
綱渡りや宙返りができないように、「本格推理小説」など、書けない、と(笑)

でもやはり、人間、得意不得意があるのだろうな。
せっかくトリックなどは完璧なのに、人物造形が......悪い意味で漫画のようでした。
すべての人が、いわゆる「典型的なキャラクター」というか......。

ただもし将来、これくらいすごいトリック(というか設定も含め)を考えつけ、さらにトリックを考えることだけに楽しみを見出している人と出会えたら、共著で小説を書いてもいいかもしれない......などと、変にビジネスライクに思ってみました(笑)

ということで、小説に「共感」であるとか、「描写」の美みたいなものを求めている人にはあまり薦めないけれど、ミステリーを書きたいと思っている人や、大どんでん返しみたいなものが好きな人にはお薦めです!

2009年3月13日

「薬指の標本」DVD

小川洋子さんの同名の小説を映画化した「薬指の標本」を見た。
この映画、邦画ではなく、フランス映画!
でも、日本とも海外ともどこともとれない場所が舞台の小川作品だから、まったく違和感はない。
......いや、むしろ、フランス映画であって良かった、と思う。

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小川さんは、「博士の愛した数式」で本屋大賞を獲り、映画化もされたので、それが「代表作」のように思われているけれど、以前からの小川ファンとしては、それは違うだろう、という気がする。「博士の愛した数式」は、小川さんにしては「珍しい」タイプの作品だ。
もちろん、「博士の愛した数式」も、すばらしいのだけれど、多分、根っからの小川ファンは、「薬指の標本」のほうを好んで読み、「やっぱ、こういうテイストよね」と、この映画に満足すると思う。

一般の人には、純文学=私小説のように捕らえられがちで、自分の悩みを滔々と語るのが小説だみたいに思われている気もするけれど、私が思う、小説らしい小説は、やっぱりこういう、小川作品だな、と、映画を見て、改めて思った。
どんな作品だ、と聞かれても困るけれど、描写ありきで、ストーリーはただそのシーンを生かすための小道具でしかない、みたいな「芸術作品」かな。
この映画も、非常に「純文学」っぽい。

分からない人にはわからないだろうけれど、分かる人は、はまる。
だからこそ、アマゾンでも星5つなんだろう。
多分、星1つしかつけないであろうような人は、そもそもこのDVDを手に取ろうともしないはず。

やっぱり、文学は、美の追求だ。文学も「芸術」だ。
などと、忘れていた「原点」に久しぶりに回帰した感じ。

ストーリーを軽視するわけではないけれど、ストーリーは自分にとって、メインではない。
ストーリーによって描かれる世界や、人の心理こそが「主役」。
先を読ませる牽引力は大切だけれど、ストーリーを前面には押し出さない。
日常をつかのま忘れさせる美を表現できてこそ、文学。

エンタメを目指しつつも、なにかすごい違和感をときどき感じ、行き詰っていたけれど、なんか、この作品を見て、ふっと、「無理はやめよう」と思った。
私はやっぱり、こういう世界が好きだ!

小川さんの原作。

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2009年3月 2日

東野圭吾「鳥人計画 」

東野さんの「鳥人計画」を読んだ。

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東野さんの作品は、5,6作は読んでいると思うけれど、それでは1割にもならない。
本当、すごい勢いで書いている人だと思う。

そうやってたくさん書いているからなのか、東野さんの作品は、幅が広い。
いや、幅が広いから、これだけたくさん書けるのか......?

ただ、この作品はちょっと、自分が期待していた東野作品ではなかったな。
なんていうか、「いわゆる、昔からあるミステリー作品」という感じ。
もちろんそのなかにも、緻密な描写あり、ミスリードあり......なんだけど......う~ん。
途中で、「あれ、似た名前のほかの人の作品を買っちゃったのかな?」と不安になるくらいだった。

私の持っている東野作品、というのが偏ったイメージなのかもしれないけれど......
「白夜行」や「幻夜」のあの世界観があってこそ、一流の作家、という気がする。

ただ、これを読んだことによって、自分が「読書」であるとか、好きな作家に求めているものが、また見えてきて、良かった。

やはり決して、トリックであるとか、どんでん返し、ではないな。自分が小説に求めているのは。
それは、「あればあったでいい」という、添え物なんだな。
大事なのはあくまでオリジナルで、心地よい世界観。

......なんて、人のこと言っているまえに、自分の作品も書かないとね。
もう3月。
本命の締め切りも迫ってきているので、そちらの直しも頑張りつつ。

 

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