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2005年11月10日

青山七恵「窓の灯」


窓の灯 (河出文庫 あ 17-1)窓の灯 (河出文庫 あ 17-1)

河出書房新社 2007-10
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今年の文藝賞受賞作品の片方を読んだ(最少年齢で受賞、というのではない方。それでも、20代前半だけれど)。
「すばる」や「新潮」やいくつかの受賞作を立ち読みして、一番惹かれたのがこの作品。
内容や登場人物など以前に、ぎゅっと読者を引っ張る力が文章(文体?)に感じられて、思わず衝動買いしてしまった。こういう力は、やっぱり純文学では大切。二年ほど前、「すばる」を獲った栗田有起さんの作品も、ちょっと読んで気に入ってしまったのだけれど、純文学系の作品の場合は、そういうことがある。ストーリーとか終わり方とか関係なく、ただ「なんかいい」と、初めや途中の文章をちょっとだけ読んで「力」を感じる。

まぁ、この作品は「ストーリーとは関係なくいい」というのの最たるもので(?)、後半~ラストはよくわからず、ぼやけたままだった気もする。特に何が起こるわけでもなく、淡々としている。終わり方も分かるようで、でも曖昧。難解っていうわけでもなく、曖昧。
でも、そういう淡々としたものの方が、文体とか、ちょっとした目の付けどころとか、表現の良さというのは目立ってくるのだろう。純文学とはいえ、ストーリーや設定が破綻していてはいけないのだけれど、そこで変に気負わず、なんてことないことを、できるだけ「個性」で書いていけたらいいな、と、これを読んで、久しぶりに思った。最近は、もっと「エンタメ」的な要素のあるものを書きたいとか思い始めていたのだけれど。
選評では、「書き続けていかれる力のある人」だと評価する人がいる一方、「これは女性側がのぞき見をするところが新しい」などと設定を誉めている人もいた。でも、これは別に女性がのぞき見をするからいいっていうのとは全く違う次元の話の気がするけどな......。「何を書くか」ではなくて「どう書くか」で勝っている作品。ただやっぱり、どんな作品でも、ストーリーや設定でしか評価をしない読者というのはいるのだろうし、自分は表現で勝負すると思っていても、譲歩できるところまでは譲歩して、色々工夫を凝らすといいのだろうか。でもそうすると、中途半端になっちゃいそうだしな......などと、またいつもと同じところを思考が循環してしまうのでした。

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